抱き寄せた瞬間、ピクリと肩が震えた。
触れてみると細い頼りげなその華奢な肩は。
いったいどれくらいの月日、全てを抱えこんでいたのだろうと切なく思えて。
もう一度
カオリ。
と名を呼ぶと
ゆっくりゆっくりと顔を上げ、瞳の奥に戸惑いを宿しながら視線を合わす。
「ごめんなさい、、」
「カオリ、なにが?」
奥の奥で揺らめく赤い炎の導線を、冷静を装って紡ぐ言葉に隠しながら問いかける。
「ミックはいつも優しくて、私を気にかけてくれて。でも、それでもそれでも私は。」
そう言いながら、寂しそうに消えてしまいそうに儚く笑う。
言えたなら。伝えることができるならば。
親友。恋人。そんな全てを飛び越えて君の元にと願うのに。
例えリョウが許さなくても攫ってゆく気持ちはここに確かに。
キミガノゾマナイカラ
ただそれだけ。ただそれだけが全てで。
僕はここに踏みとどまる。
「カオリ。」
アイツなんかやめとけよ。リョウはいつもカオリを泣かせてばかりだ。僕が誰よりも大切にするから。
この気持ちを言葉に乗せることができたなら。
ただただ漂うしかない消えることのないこの想いを。
「カオリ。」
名を呼ぶことさえ特別で。
「帰ろう。リョウが待ってるよ。」
キュッと口を結んでそれでも力なく頷く君を。
心から愛しいと思う僕を許してほしい。
あとがき
イラストで二ページ描いてたんですが、追加で描こうと思っていたのが、あれあれあれとそのままだったんですが、今回文をつけてみました。文章力なくてごめんなさい:(;゙゚'ω゚'):
ミックは根っこの部分ではどこまでいっても香ちゃんなんだろうなあ、、と撩がストッパーではなくあくまで香ちゃんで。
望まれれば、、だけど、香ちゃんはブレずにやっぱり撩なんだと強く思います。
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