「、、無茶しやがって、、」
「でも、あれが1番ベストだと思ったから。
ちょっと足を取られちゃったのは計算外
だったけど、、、。」
「、、だからそれが無茶だって言ってんだ。
自分の身ぐらい守れなくてどうする。」
「、、ごめん。」
違う。こんなことを言いたいんじゃない。
胸がヒヤリとした。
トラップを作動させ終わり、こちらに駆け寄ってきた香の姿をふと見るとー
爆風で至る所が破け、その隙間からは透き通る程の白い肌。
その白さに少しの傷がつくのも許せなくて。
赤く滲んだ切り傷が視界に入る度に、
胸がうるさく騒ぎ出す。
守れ。守れ。守り抜け。
思考が停止する程に脳からの指令が下りてくる。
お前を守りたいのは。
気持ちなんてそんな生易しいものも通り越して、俺の生きる術からの、生きていくのに必要だ。との全身からのシグナルで。
どれだけ侵食されているんだと自嘲してみるも、目の前のこの存在だけは決して失えない。
「なあ、、香。」
「なによ。まだ怒ってるの?」
だんまりの俺をそう解釈し、むっ。とした顔をしながら不安気に見つめる。
交差する視線。
口調とは裏腹にふるふると揺れる瞳に思わず
肩をぐい。と抱き寄せて
「だから。そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
「バカやろ。ちょっとはこっちの気持ちも
考えろ。」
「はあ〜〜!?何言ってるの?撩。」
「あーー!!もうわかんねえ奴だな!
傷なんか作るなってゆってんだよ!」
「え?、、、」
真っ赤っ赤になって全身湯気状態は
カワイイけれど。
肩を抱いた手に力を込めて更に引き寄せ、香の首筋に顔を埋め失えないその存在を再確認する。
鼻先をくすぐる癖っ毛がいつも通りの心地よさで再度、確認を繰り返す。
まるでマーキングみたいだな。
「くすぐったいよぉ、、撩。」
「黙ってろって。」
絡み合う視線と腕とお互いの鼓動は。
熱く熱く熱を放つ。
俺をヒヤリとさせやがって
「、、覚悟しろよ。香ちゃん。」
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