2020.06.01 09:32深海 7 (文かおりかおり意識が意思と反して、浮かび上がれない重い。熱い。混濁する感情に比例するように、身体の芯からざわつきに撫ぜられ、丸い丸い玉が、額や背中を伝うのをもう一人の自分がどこか遠くで見下ろしているようで。もういい。もういいんだよあなたは頑張ったんだからねえ、アニキ?あたしを優しく諭すもう一人のあたしは、懐かしい少女の頃の姿で、傍に佇み柔らかい笑みを浮かべる会いたくてたまらなかった、その存在に抱きつ...