2022.01.06 07:20キオク ミライ 記憶 未来の先は 3 (文 1/23加筆ガラス越しに、淡い光が瞳の奥に溶け込んでくる。ふう、と無意識にため息が漏れる。「ため息なんて……」どうしてだろう。一昨日前に交わしたやり取りは心が温かくなるものだったはずだ。『名前、そこにあったから…』『ありがとう』優しい瞳をしていた。少し高いトーンの優しい声だった。胸はわかりやすく跳ねた。「だけどなあ……」ぽつりと落ちた言葉は、ため息と同等の重さを含み、顔色は冴えない。レジ横にあるメモ帳にぐるぐ...